この建物は、平成18年長野県岡谷市のJR岡谷駅南口整備事業による道路拡張工事に伴い解体された土蔵を基本に、一部増築を加えて建築された山荘です。3年間私共で保存していたのですが、古民家の山荘を建てたいというご希望の方がおられたのと、その方のご出身が岡谷であるという縁で、この土蔵を利用することになりました。平成18年まで現役で利用されていた土蔵で、生糸家の蔵らしい「総栗材」で建てられていました。腐りもほとんど無く、解体は壊すのに大変苦労した建物です。
土塗り壁の竹小舞の組み方に特長があり横方向に流した竹と縦方向に流した竹が一部柱材に彫り込まれているなど大変工夫されていて、私達も勉強になりました。とにかく土も良質で、コンクリートのように硬くなかなか壊れませんでした。
※解体前の土蔵