長野県富士見町で、一番の桜の名所 高森。
高森観音堂や茅葺民家のある静かな場所に、同じ富士見町の瀬沢新田に建っていた築90年の建物を、移築して再生しました。
元の建物は、富士見町ではよく見られる「せがい造り」の民家でした。
「せがい造り」は、軒の長さが1.8メートルもあり、雨でも軒下で作業ができるのが特徴です。
延床51.29坪あった建物を、39.02坪に切縮めて再生しました。
再生工事を行う中で難しいのは、元の梁組を生かしながら、新しい空間を造るところです。
そこが大工職人の知恵です。
古い材料、新しい材料両者を、うまく組み込んでいきます。
屋根飾りの千木、雪止の堰板、中塗り土の外壁、鉄平石の窓庇、サワラ板の風呂桶、腰板壁。
諏訪地方の風情を残す建物となりました。
観音堂の桜と新しい家主様と共に、高森の家はこの地で春夏秋冬を経ていきます。
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